文字サイズ
  • 文字サイズを「小」にする
  • 文字サイズを「中」にする
  • 文字サイズを「大」にする

公益財団法人岡山県健康づくり財団


品質保証活動について~北部環境検査課の取り組み~

近年の環境問題への社会的関心の高まりに対応して、多くの環境測定分析が行われるようになりました。環境測定分析の重要度が増すとともに、試験結果(測定値)の信頼性に関心が集まっています。

北部環境検査課では、測定値の信頼性を確保するために次の様な取り組みを行っています。

 

 

品質保証への取り組み

測定値の信頼性は、分析がどのような施設で、どのような環境で、どのような機器で、どのような分析者により行われたのかが信頼性の基準になります。測定値を生み出す周辺の環境が優秀なレベルにあり、疑念や不信を抱かせるような物理的環境や社会的組織環境がないことが必要となります。

さらに、分析を行う種々の要素が一つのトータルなシステムとして機能していること、そのシステムを公に認め、分析者、依頼者に保証する仕組みが備わっているかどうかが重要になります。

北部環境検査課では、このような観点から濃度に係る環境計量証明事業規程を定めるとともに、ISO9001(品質マネジメントシステム)を取得・運用することで、品質の保証をしっかりと確保しています。

 

精度管理

測定値の精度は、測定方法が適切に標準化されているか、標準化された方法のとおりに正しく行われているか、装置や試薬の管理が適切に行われているかといった要因に左右されます。信頼性が損なわれるケースとしては、次のような場合があります。

(1) 操作ミス

試料の取り違え、試料の変質、試薬の取り違え、試薬の変質、標準溶液の作成ミス、検量線の作成ミス、計算ミス、転記ミス、機器の操作ミス等

(2) 装置の欠陥

(3) 機器の管理不良、分析機器の整備不良、機器の汚染等

これらの要因による測定値の精確さの低下は、適切な管理によって防ぐことが可能であり、いわゆる機器固有の測定誤差とは別の問題です。標準作業手順書(SOP)のように、とるべき手順と留意点を記載した書類を順守することが上記のミス等を防ぐ基本となります。

 

精度管理は自施設内で確認を行う内部精度管理と、他施設と測定を比較する外部精度管理を行っています。

内部精度管理は、普段行っている試験結果に問題がないかを自施設内で確認するものです。

次のような3種類の内部精度管理を行っています。

1つ目は、濃度未知の試料を用いて行います。5回以上の繰り返し検査を行うことで検査結果のバラつきの具合を確認します。

2つ目は、測定者が、標準物質を用いて濃度既知の試料を作成し測定します。検査結果のバラつきと偏り、検査手順、器具操作を確認します。

3つ目は、第3者が標準物質を用いて作成した試料を測定し、設定値からの隔たり、バラつき、偏りを確認します。

外部精度管理は、自施設と他施設の測定を比較することを基本としています。第三者が作成した試料を多数の事業者が各々測定し比較検討するものです。

自施設以外と比較することで、内部精度管理とは異なり客観的に測定値の保証を得ることができ、信頼性が増すとともに測定技術の向上および確認ができます。

北部環境検査課では、検査技術の確実性・信頼性を検証するため、定期的に内部精度管理を実施するとともに下記の外部精度管理にも毎年参加しています。

 

外部精度管理 主催
環境測定分析統一精度管理調査 環境省
水質測定精度管理調査 岡山県環境文化部環境管理課
分析値自己管理会(SELF) 一般社団法人日本環境測定分析協会
ISO/IEC 17043に基づく技能試験 一般社団法人日本環境測定分析協会
岡山県環境測定分析共同実験 一般社団法人岡山県計量協会

 

参考文献

環境測定分析を外部に委託する場合における精度管理に関するマニュアル (平成22年7月 環境省水・大気環境局総務課環境管理技術室)

濃度計量証明事業所の内部精度管理のあり方に関する検討報告書 (平成24年6月 一般社団法人 日本環境測定分析協会水質・土壌技術委員会)

分析及び分析値の信頼性 信頼性確立の方法 (平成10年12月 丸善株式会社)

ページの一番上へ