夏になると、水道の水がカビっぽいにおい(カビ臭)がすると感じたことはありませんか?
○カビ臭ってなに?
水道水からカビ臭がするのは、カビそのものが原因ではありません。カビ臭の原因となるのは、「2-メチルイソボルネオール(2-MIB)」や「ジェオスミン」などのカビ臭物質です。これらは、水中の植物プランクトンの藍藻(らんそう)類などによってつくられます。
○水道水からカビ臭がするのはなぜですか?
夏に水温が上昇してくると、湖沼やダム湖などでは植物プランクトンが大量に発生し、カビ臭物質も増えてしまいます。
水道水は、もともと河川や、ダム湖の水を飲めるように浄水処理したものです。
カビ臭が発生するときには、通常の浄水処理に加えて、活性炭やオゾン処理などでにおいをとり除く処理をしていますが、カビ臭物質を完全にとり除くことはむずかしいのです。
カビ臭物質の水質基準は、ほとんどの人がにおいを感じない濃度(水1リットルあたり10ナノグラム ※1ナノグラムは10億分の1グラム)に設定されています。しかし、カビ臭物質はほんのわずかに含まれただけでもにおいを感じるため、敏感な方はにおいを感じてしまうこともあります。
○カビ臭がする水道水を飲んでも大丈夫?
カビ臭の原因物質には毒性はありません。飲用しても健康に影響はありませんので安心してください。
においが気になる場合は、やかんなどで水道水を沸騰させて、ふたを取って5~10分程度煮沸するとにおいがとれます。
ただし、一度煮沸させた水は消毒効果がなくなり、菌が繁殖しやすくなるため、冷蔵庫などに入れて早めにお使いください。