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公益財団法人岡山県健康づくり財団


豊かな瀬戸内海を目指して

瀬戸内海

瀬戸内海は古くから風向明媚な景勝地であり、豊かな漁場でもあるという恵まれた自然環境にありました。しかし、昭和30年代からの高度経済成長に伴い、瀬戸内海周辺にも産業や人口が集中し、水質は急激に悪化しました。1973年、この状況を打開し、瀬戸内海の水質の保全対策を行うため、「瀬戸内海環境保全特別措置法(通称:瀬戸内法)」が制定されました。制定から50年が経過しましたが昔と比べ今の瀬戸内海はどうなっているでしょうか。

 

工場などの排水規制や生活排水対策が進んだ結果、かつて瀕死の海と呼ばれた瀬戸内海の水質は大きく改善され、富栄養化の原因である窒素・リンの排出量は減少傾向となっています。また、それに合わせて赤潮の発生も減少したことから、この法律等による負荷削減施策等が一定の役割を果たしていることは間違いないと思います。

 

一方、漁獲量は減少傾向であり、また、養殖ノリの色落ちなどの問題も起きているようです。漁獲量の減少は沿岸部の埋め立てや海水温上昇の影響等が要因の一つとして、また、ノリの色落ちは海域の栄養塩濃度の低下が大きな要因であると考えられています。栄養塩類は海藻の成長や、魚類や二枚貝の生産を支えるプランクトンの増殖に必要なものですが、この20年間で3分の1まで減少したようです。

 

このような背景に鑑み、これまでの目標であった「きれいな海」は保全しつつ、この先は「豊かな海」を目指すことに瀬戸内法が2015年に改正されました。また、2021年の再改正では栄養塩類の「排出規制」一辺倒から、「きめ細やかな管理」の手法への転換、温室効果ガスの吸収源ともなる藻場の再生・創出、さらに海洋プラスチックごみの除去・抑制などが明記され、「里海」づくりを総合的に推進することとなりました。

 

沿岸部の埋め立てにより干潟や藻場が減少し、また、海砂採取等による海底の地形変化など生き物などの生息環境は大きく変化しています。さらに温暖化に伴う海水温の上昇等により、魚介類の産卵時期が変わってきており、漁獲の時期や対象魚種にも変化が見られているようです。

きれいで豊かな瀬戸内海をいつまでも次世代に残していくためにも、私たち一人ひとりが瀬戸内海の環境に対して理解を深めることが大事だと思います。

当財団としても環境調査業務やボランティアの清掃活動等を通じて豊かな里海づくりに少しでも貢献したいです。

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